小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
読了。
江戸時代の働く女性たちを描いた短編集。手跡指南の師匠、筆耕、女浄瑠璃の役者、絵師、簪屋や料理屋の女主人……
仕事と恋のあいだで揺れる江戸の女性たちを描き出した短編集。
先日読んだ新撰組にまつわる短編を集めたアンソロジー、『新撰組興亡録』の中に入っていた北原さんの短編が、しっとりと情があって印象的だったので、ふらりと衝動買い。普段はあまり時代物って読みつけないんですけど、描かれる女たちの生活に焦点が絞ってあったのもあって、読みやすかったです。
江戸のキャリアウーマンを描きたかった、とのこと。ときに恋に迷い、挫折に負けて仕事を投げ出そうとして、けれど職人としての誇りに立ち返る、そんな女性たちの姿。
女性にとっていまよりももっと、男たちの都合に振り回されるのが常だったであろう時代に生きて、それでも職人であろうとする女たちの姿が、それぞれに力づよいです。
江戸時代の働く女性たちを描いた短編集。手跡指南の師匠、筆耕、女浄瑠璃の役者、絵師、簪屋や料理屋の女主人……
仕事と恋のあいだで揺れる江戸の女性たちを描き出した短編集。
先日読んだ新撰組にまつわる短編を集めたアンソロジー、『新撰組興亡録』の中に入っていた北原さんの短編が、しっとりと情があって印象的だったので、ふらりと衝動買い。普段はあまり時代物って読みつけないんですけど、描かれる女たちの生活に焦点が絞ってあったのもあって、読みやすかったです。
江戸のキャリアウーマンを描きたかった、とのこと。ときに恋に迷い、挫折に負けて仕事を投げ出そうとして、けれど職人としての誇りに立ち返る、そんな女性たちの姿。
女性にとっていまよりももっと、男たちの都合に振り回されるのが常だったであろう時代に生きて、それでも職人であろうとする女たちの姿が、それぞれに力づよいです。
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読了。
本を読むことは、旅に似ている。ほかならぬ池澤さんのお言葉ですが、まさにそういう読書体験でした。
ハワイの歴史、食文化、農業、天文台、植生、鳥、神話、フラ、サーフィン、カヌー……さまざまな視点から語られるハワイの姿。観光地としてのハワイではなく、生きたハワイがこの本の中にあります。
写真や図がたっぷりで、語られる見聞や知識が分かりやすくて、厚めのわりには親しみやすい一冊です。
読み終えて旅行に行きたくなりました……二、三日で観光地をめぐるんじゃなくて、しばらく滞在して、その国の人々の生活を垣間見るような、そんな旅。
何で日本にはリフレッシュ休暇という概念が浸透しないんだよう。……まあ、実際に休暇を与えられたとしても、言葉の壁にしり込みして、結局は行けない自分が容易に想像できますが。でもいいなあ。
ちなみにタイトルの「ハワイイ」というのは、「ハワイ」の現地での発音はむしろ「ハワイイ」になるのだそうです。
本を読むことは、旅に似ている。ほかならぬ池澤さんのお言葉ですが、まさにそういう読書体験でした。
ハワイの歴史、食文化、農業、天文台、植生、鳥、神話、フラ、サーフィン、カヌー……さまざまな視点から語られるハワイの姿。観光地としてのハワイではなく、生きたハワイがこの本の中にあります。
写真や図がたっぷりで、語られる見聞や知識が分かりやすくて、厚めのわりには親しみやすい一冊です。
読み終えて旅行に行きたくなりました……二、三日で観光地をめぐるんじゃなくて、しばらく滞在して、その国の人々の生活を垣間見るような、そんな旅。
何で日本にはリフレッシュ休暇という概念が浸透しないんだよう。……まあ、実際に休暇を与えられたとしても、言葉の壁にしり込みして、結局は行けない自分が容易に想像できますが。でもいいなあ。
ちなみにタイトルの「ハワイイ」というのは、「ハワイ」の現地での発音はむしろ「ハワイイ」になるのだそうです。
読了。
「僕」は合コンで知り合った女性・マユコに一目ぼれし、じきに週1回のデートを重ねるようになる。やがて恋人同士になり、たくさんの思い出を積み重ねていくふたりだが……
以下、ちょっとネタバレ気味な感想です。文庫版あらすじに書いてある程度のネタバレではありますが、いっさいの先入観を排除して読みたい派の方は、ご覧になりませんよう。
ということで、叙述トリックがすばらしい本なんですけれども……。
すごく凝っているし、タネがわかってしまえば「ああ、そういうことか……!」と感心するんですけれども、残念なワタシの読解力では、その瞬間にはすっと理解できなかったです。「???」としばらく考え込んで「!! ああ! もしかして!」という感じ。
そのつもりで反芻すれば、こまかな伏線がいくつもあったことがわかるようになってはいるのですが、あともう少し、伏線が「ああ、あそこ伏線だったんだ」とぱっと思い当たるくらい分かりやすくなっているほうが、親切でいいと思うなあ。私が鈍いのか?
うーん。でも、ロコツすぎても面白くないしなあ。と、好き勝手なことをぶつぶつ言っています。
一読目、仕掛けに気づかないまま読んでいる間、ふつうの恋愛小説だと思っていて、恋愛小説としては、個人的にいまひとつ退屈で、どこが楽しみどころなんだろう……と思っていました。読み終えて、最後の最後にどんでん返しの一文があり、しばし考え込んで、じっと思い返して話の構造をようやく理解して、「ああ、退屈どころか、これはものすごく怖い話だ……」と、ようやくわかりました。
最初から「何かあるぞ」と思いながら読んでいれば、もっとずっと楽しめたのかも……と思いつつ、裏表紙を見たら、あらすじ部分に、ちゃんとその説明が書いてありました。(最後まで読んだら仕掛けがある、けど先に読むと楽しみ半減だから順番に読むように、ということ)先にここを読めばよかった!(←読み終わるまであらすじや解説は見ない派)
ということで、これから読まれる方は、ぜひ「何か仕掛けがあるんだ」と思いながら読まれてくださいね。
「僕」は合コンで知り合った女性・マユコに一目ぼれし、じきに週1回のデートを重ねるようになる。やがて恋人同士になり、たくさんの思い出を積み重ねていくふたりだが……
以下、ちょっとネタバレ気味な感想です。文庫版あらすじに書いてある程度のネタバレではありますが、いっさいの先入観を排除して読みたい派の方は、ご覧になりませんよう。
ということで、叙述トリックがすばらしい本なんですけれども……。
すごく凝っているし、タネがわかってしまえば「ああ、そういうことか……!」と感心するんですけれども、残念なワタシの読解力では、その瞬間にはすっと理解できなかったです。「???」としばらく考え込んで「!! ああ! もしかして!」という感じ。
そのつもりで反芻すれば、こまかな伏線がいくつもあったことがわかるようになってはいるのですが、あともう少し、伏線が「ああ、あそこ伏線だったんだ」とぱっと思い当たるくらい分かりやすくなっているほうが、親切でいいと思うなあ。私が鈍いのか?
うーん。でも、ロコツすぎても面白くないしなあ。と、好き勝手なことをぶつぶつ言っています。
一読目、仕掛けに気づかないまま読んでいる間、ふつうの恋愛小説だと思っていて、恋愛小説としては、個人的にいまひとつ退屈で、どこが楽しみどころなんだろう……と思っていました。読み終えて、最後の最後にどんでん返しの一文があり、しばし考え込んで、じっと思い返して話の構造をようやく理解して、「ああ、退屈どころか、これはものすごく怖い話だ……」と、ようやくわかりました。
最初から「何かあるぞ」と思いながら読んでいれば、もっとずっと楽しめたのかも……と思いつつ、裏表紙を見たら、あらすじ部分に、ちゃんとその説明が書いてありました。(最後まで読んだら仕掛けがある、けど先に読むと楽しみ半減だから順番に読むように、ということ)先にここを読めばよかった!(←読み終わるまであらすじや解説は見ない派)
ということで、これから読まれる方は、ぜひ「何か仕掛けがあるんだ」と思いながら読まれてくださいね。
真備シリーズ二作目。(一作目は『背の眼』)
主人公・ホラー小説家の道尾は、いとこの結婚式に参列しがてら、小説の題材にしようと、仏所を見学させてもらうことにした。そこには仏師たちの彫った、納品される前のさまざまな仏像が置かれていた。
そのまま空いた部屋に泊めてもらった道尾は、深夜になって、作業場にカメラを起き忘れたらしいことに気が付く。おっかなびっくり敷地内を歩き回るうちに、昼間には木彫りの仏像が笑い、その頬が動くのを見た。
動かないはずの仏像が笑い、血の涙を流す。そんな怪異がおきる仏所で、過去に、一組の男女が行方不明になるという事件があったらしい。過去に何があり、男女はどこに行ったのか。そして、仏像がなぜ笑ったのか。
トリック自体は、ものすごく目新しいとか、手が込んでいるという印象もないのですが、さすが道尾さん、ぞっと鳥肌の立つような怖さ、ぐいぐい引き込まれる巧みな語りに、すれ違う人々の心情、やるせなく哀しい余韻のあるラストと、魅力たっぷりの一冊でした。
まだまだ続く真備シリーズ。財布とスペースの都合から、文庫落ちするまでなんとかして待ちたい所存ではありますが、果たしてワタシの忍耐が持つかどうか……(戦々恐々)
主人公・ホラー小説家の道尾は、いとこの結婚式に参列しがてら、小説の題材にしようと、仏所を見学させてもらうことにした。そこには仏師たちの彫った、納品される前のさまざまな仏像が置かれていた。
そのまま空いた部屋に泊めてもらった道尾は、深夜になって、作業場にカメラを起き忘れたらしいことに気が付く。おっかなびっくり敷地内を歩き回るうちに、昼間には木彫りの仏像が笑い、その頬が動くのを見た。
動かないはずの仏像が笑い、血の涙を流す。そんな怪異がおきる仏所で、過去に、一組の男女が行方不明になるという事件があったらしい。過去に何があり、男女はどこに行ったのか。そして、仏像がなぜ笑ったのか。
トリック自体は、ものすごく目新しいとか、手が込んでいるという印象もないのですが、さすが道尾さん、ぞっと鳥肌の立つような怖さ、ぐいぐい引き込まれる巧みな語りに、すれ違う人々の心情、やるせなく哀しい余韻のあるラストと、魅力たっぷりの一冊でした。
まだまだ続く真備シリーズ。財布とスペースの都合から、文庫落ちするまでなんとかして待ちたい所存ではありますが、果たしてワタシの忍耐が持つかどうか……(戦々恐々)
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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