ということで、オススメ第二段です。長編部門から2本。
「黎明の風に告ぐ ~刑事ハル&レイ~」 早川みつき様
http://ncode.syosetu.com/n1834bi/
前半はどたばたコメディ、ライトなタッチから入りますが、伏線が張られ、人間関係の構築のすんだ後半からの、畳みかける展開が読みどころ。
明らかにされてゆく真実、過去の因縁、手に汗握る展開。構成の見事さ、伏線の巧みさなどもお見事ですが、むしろ個人的に声を大にしていいたいのは、キャラ萌え小説であるということ。(真顔)
主役ふたりはもちろんのこと、脇役がひとりひとり実に魅力的なのが、脇役スキーにはとても嬉しいです。
男女ともに楽しめると思いますが、どちらかというと女性読者向けかなあという印象。相棒もの、チームワークものがお好きな方には特にお勧めです。
「光からの贈り物」 337さま
http://ncode.syosetu.com/n6435bh/
自分の拙い腕は遥か高い棚の上に放りあげて正直に申し上げると、前半は読みながらちょっと、だるいなって思ってたんです。けっこう日常パートが長くて、友達どうしの会話が楽しそうなのはいいんだけど、でもさすがにちょっと長いな、いつになったら話が始まるんだろうなあとかって。(※完全に天に向かって唾吐いている)
なんていうかすみません……作者様がどうこうというよりも、読み手の問題というか。社会人というやつはどうもせっかちでいかんなと思います。
だけどそんなこと思ったのが吹っ飛ぶ勢いで、中盤でやられた。
可愛いんですよ、女の子が。めっちゃ可愛いんです。二葉ちゃん。
恋する女の子。元気いっぱいで、意地っ張りで、不器用で、いじらしくって。それがもうハートの真ん中に、どかんと来ちゃったんです。じれったくてくすぐったくって、読んでるこっちがもじもじしてしまう。だめだわたしこういうの弱いんだよー。じったんばったん。
夏、青春、恋する女の子。満喫させていただきました。青春ラブコメお好きな方にオススメしておきたいです。
ほかにも良作・力作多数で、実をいうともっと紹介したかった作品があるんですけど、片っぱしからオススメしてしまうとピックアップにならないなと思い、かなり迷ったのですが、長編はここまでで。しかしお時間のある方は、ほかの作品もぜひ読んでいただきたいです。
余力があれば投票期間中に、中編部門の個人的オススメ作品も紹介したいと思います。
空想科学祭もとうとう投稿期間が終わり、作品が出揃いました。全71作品かな。引き続き、楽しく読んで回っています。
なにげに猫登場率が高くて、読みながらニヤニヤが止まりません。SFといったら猫ですよねー。(偏見)
オススメ記事その2も準備中です。
そして今日、ずいぶんひさしぶりに、TCの即興三語小説に参加しました。中身はものすごい微妙な仕上がりになってしまったのですが(お題が難しかった)、とりあえず、書いていて言葉がつっかえて出てこないとかいう症状はなかったので、ちょっとほっとしています。
お盆以来ひと文字も小説を書いていなかったので、実は不安になりかかってました。休養もいいけど、うかうかしてると文章の書き方から忘れそうで恐ろしい……
しばらくはリハビリがてら、いろいろラクガキしていきたいです。
ちょっとこのところ間があき気味ですが、元気です。
空想科学祭を読むほうで忙しいとか、目を休めようとしてパソコンを立ち上げる時間が短いとか、そういう環境要因が半分と、あと日記を書こうとすると、何を書いていてもいつの間にか文章が途中からマルゴ・トアフの書けなかったところのクヨクヨにすり替わっていてですね……(だめじゃん)
言い訳しない心の強さの持ち合わせがないんだけど、言い訳ばかりずっと書き連ねるのもウザいという自覚はあるんです。(いつもすみません……)
せっかくいろんな方に読んでいただいて、有難いことに面白かったよって声かけてくだすった方もいらっしゃるのに、いつまでも「でもここつまんなかったでしょうあそこ駄目だったでしょう」ってクヨクヨいってるのも、どんなもんかと思うんです。思ってはいるんです。なのに何を書いてても、いつの間にか途中から言い訳になるんだよねーあれえーなんでかなあー。
実際にそんなにものすごくクヨクヨしてるのかというと、そんなことはないんです。反省点は反省点で、数えればきりがないくらいあるんだけど(くっ……)、書いたことを後悔してはいないです。嬉しいお言葉をいただいたので。
いただく感想に一喜一憂しつつ、日々お祭りを楽しんでいます。
というわけで、特別に落ち込んでいるわけでもないのに、内容に触れようとするとやっぱりクヨクヨが出てくるあたり、ちょっとわたしはどっかでいっぺん、性根を叩き直してきたほうがいいな……。
完成度がどうというよりも、「これだけ書きたいことを目いっぱい詰め込んで書いたら、もう結果がどうでも悔いることはない」というようなものを書きたかったんですけど。
思ってただけでした。いざ書き終わってみれば、やっぱり粗いところは死ぬほど恥ずかしいし、力が足りなくて書ききれなかったところはむちゃくちゃ悔しいし。
悔しがっても、まあいいと思うんです。次はもっと頑張るぞと思っていられるのは、悪いことじゃないから。
書けたところは素直に喜んで、書けなかったところは心の中でそっと反省して、闘志でも燃やしてればいいんですよね。
反省という名の言い訳を延々と外に垂れ流して、やたらに予防線を張りまくったり、挙句の果てには自分で自分の書いたもののネガティブキャンペーンを展開したりするのは、そろそろ本当に卒業しないといけない。
……などと思っていたら、ここに書くことがなくなってしまってあれえーおっかしいなー?
いつもどんだけ愚痴だの弱音だのばっかり書いてるのかっていう。ちょっと真剣に反省。
空想科学祭のオススメ作品紹介その2は、もうちょっと読み進めてから書きます。
いい小説は、読まれるべきである。……ということで、オススメ紹介しておきますね。
きょう挙げているほかにも良作多数ですが、今日はひとまず長編部門から、二作紹介させていただきます。近々その2もやりたいな。
独断と偏見により……って書こうと思っていたけれど、二作とも、独断も偏見もなくても間違いなく傑作です。
「デスプエス~それから、」 小田中 慎さま
http://ncode.syosetu.com/n0352bi/
「大破壊」の起きたあとの、いまとは地勢の変わってしまった南米。
地球上には、罹患したほとんどの女性が死に絶えてしまう恐ろしいウイルスが蔓延していて、女の数は極端に少なくなっている。そこから逃れて月やコロニーで暮らす人々は、進んだ科学技術を持っているが、対象的に地上に取り残された人々は、旧時代の多くの技術を失い、天上の人々のくだす「天罰」に怯えながら暮らしている。
重厚かつ綿密に描写された、リアルな未来世界。そこでは人類の命運をかけた、大きな事件が進行している。そしてそれにもかかわらず、描かれているのはあくまで一人の少年の視点による、彼自身と、その周囲の人々の冒険と闘いの物語。
だからこそ、読んでいるこちらに少年の思いと、作品世界の空気が、身近に、リアルに迫ってくる。
ともすれば重苦しく陰鬱になりかねないストーリーなのに、少年のみずみずしい感性による一人称と、冒険小説としてのストーリーテリングが、けして読み疲れさせない。夢中で読みました。
どっしりした本格SFがお好きな方、それから冒険小説がお好きな方に、ぜひとも強くお勧めしたい。傑作です。
「雪火野」 俊衛門さま
http://ncode.syosetu.com/n7867bh/
進化した人類――声を媒介に周囲の人々の感情を読みとり、共感する能力をもつ新人<フィンチ>たち。周囲のひとが怒りや悲しみに声を荒げれば、彼らはその感情に引きずられて、自らもまた苦しむ。そのために、新人たちは諍いを厭い、平和を望む。
主人公は、彼らの中にはじって暮らす、旧人たちのひとり。彼らが新人たちの中で暮らすには、大きなハンデがある。機械に頼り経験を積むことで、新人たちのように声から感情を読むすべを身につけることはできるけれど、彼らには常に、偏見の目がまとわりついている。
人間の描写、キャラクターの葛藤と対立、構図の見せ方、絵になる場面の数々……書き手のはしくれとして憧れずにいられないような、そうした腕についても、挙げればもうきりがないくらいなんですが、何よりまずそれ以上に、孤独を持て余す主人公の不器用な生き方と、作品の訴えかけてくるテーマの重さに、胸を打たれました。人の在りようを問う重厚な主題が、最初から最後まで、物語の根底に力強く流れつづけている。
異質なものを排斥する集団への疑問と反発。マイノリティであることで受ける圧迫。世界は理不尽で、不条理で、息苦しくて、それでも人は、生きてゆかねばならない。
素晴らしく絵になる魅力的な戦闘シーンの数々も見どころでした。SFアクションがお好きな方には特にオススメです。
引き続き目を休め休め、空想科学祭の作品を読んで回っています。
とりあえず目標だった長編部門はひととおり読破しました。
良作多数です。自分が同じお祭りに参加してしまっていることをうっかり思いだすと、つい穴を掘って埋まりたくなるような、ものすごい作品も。……いやいや。こういうのはセミプロから初心者まで、皆でワイワイやるのがいいんです…………よね?(目を泳がせながら)
などといいつついち読み手として、幸せな読書時間でありました。余力があればそのうちオススメ紹介したいです。長編は読まれにくいというから、追いつかないようなら、長編部門だけでも。
しばらく読むほうを中心とかいっていたら、うっかり完結後ひと文字も書かないままいまにいたります。そろそろそっちも焦っていいころだ。週末にはラクガキ程度でいいから、何かリハビリに書こうっと。
しかし、いっときは根を詰めないラクガキ程度のものしか書かないと思います。それで、次にまとまったものを書くときには、少しじっくり準備してから書いてみたいなあとかって考え中です。プロットの立て方とか構成とか、ちょっといままでのやりかたを見直して、ゆっくりいろいろ挑戦してみたいような気がしています。
やりたいことがたくさんあるなあ。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ラノベ棚