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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 本題の前に。少し前に「火の国より来たる者」に拍手を頂戴していました。ありがとうございました!



 ということで本題、第四弾。


【長編部門】

 俊衛門さま「庭園」
 http://ncode.syosetu.com/n7172cg/
 環境汚染が進んで、地上は人類が生存できる環境ではなくなった。人々は地下にシェルターを作ってそこで生活を始めたが、やがてはそれにも限界がくる。近い将来に人類が死に絶えてしまうことが確実となったとき、限られた人々を宇宙に脱出させるために、地球上に残される人々が犠牲にしたものとは。
 滅亡もののがっつりしたSFながら、非常に切ないラブロマンス。読み応えたっぷりです



【短編部門】

 武倉悠樹さま「最期の栞」
 物語の持つ力を信じる少女が図書館で出会ったのは、物語というものを憎んでいる少年。彼女はどうにか彼に物語の素晴らしさを伝えようとするが……
 他者の読書体験を、そのときに感じた心の動きまで含めて追体験することのできるシステム「RR」をガジェットに、少年の孤独を描いた小説。人と人とは、本当の意味でわかりあうことなどできない。その残酷な現実を理解して受け容れるにはあまりにも若すぎる二人の、悲しいすれ違い。
 いい小説だった、という言葉で括るにはあまりにも衝撃的な展開が待っているのだけれど、胸に突き刺さって抜けない棘になる、印象深い中編。



 楠瑞稀さま「証拠品逃げるにげるにげる」
 http://ncode.syosetu.com/n3593cg/
 大富豪の一人娘が行方不明になった。自殺なのか、誘拐なのか――そのとき何が起きたのか。唯一現場を目撃したはずのアンドロイドは、なぜか黙秘を続けている。刑事の主人公は、このアンドロイドの頭脳を強制的に調べるべく、証拠品として本部へ連行することになっていたのだが、人間に逆らわないはずのアンドロイドは、なぜか逃走を始め……
 タイトルからもっとギャグっぽいコメディを想像していたら、なんのその。真面目な社会派SFでした。ロボットに雇用を奪われて人間が職にあぶれがち、などという重い社会背景がありつつも、スピード感あふれる追跡展開は読んでいて楽しく、読後感も爽やか。



 M's Worksさま「それは薄くスライスした牛肉と野菜などを浅い鉄鍋で焼いたり煮たりする料理。」
 ある日とつぜん主人公が迷い込んだパラレルワールドは、こともあろうに、カレーのない世界だった。
 どうしてもカレーが食べたくて、友人の力を借りながら味の再現に奔走する主人公。その必死さに共感するやら、とほほな主人公に癒やされるやら、笑いながらノリノリで読んでいたら、ラスト、オチにやられた……!
 こちらも読んでいて非常に楽しい作品でした。



【掌編部門】

 たびーさま「フルサトRadio」
 http://ncode.syosetu.com/n7843cg/
 3・11から五百余年後の東北地方。ロボットと人間が共存する社会で、再び起こった震災からの復興を描いたSF。
 昨日はこの作品への感想をなかなか言葉にできなくて、ぐるぐるしていました。ロボットのけなげさに胸を打たれたこととか、登場人物の人柄の温かさとか、語るべきことはいくらでもあるのに、わたしが何を語るのも、おこがましいような気がして。感動したとかいい作品だとか、そんな言葉で括ってしまうのは違う気がするのです。ただ、読まれてほしい。


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 今回は以上。9月1日までで投稿期間は終わりましたが、さすがの参加者数。まだ未読の作品がたくさんありますので、もう1回か2回は紹介するかなと思ってます。
 作品数が多いことから、本当に自分の趣味でピンポイントに絞って紹介していますので、お時間ある方はTogetterまとめ(http://togetter.com/li/698393)なども参考に、ぜひ良作名作を発掘してみられてくださいね。

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