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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-04-23

 全四巻+別冊二巻読了。

 架空史SF、ラブコメ、そしてアクション。
 昭和の終わる年、政治的混乱の隙間をついて、公序良俗を乱す表現を取り締まることを目的とした「メディア良化法」が成立した。
 法務省の機関として設立されたメディア良化委員会は、書籍、映像、音楽作品の検閲を実施する権限を得た。小売店に対する検閲、販売元への流通差し止め命令、マスコミに対する放送禁止命令。そしてそれを実行に移すための「良化特務機関」と呼ばれる部隊をさえ、彼らは組織下に置くことができた。

 悪法といえ法は法。それに対抗するためには法的措置なくしては話にならない。かくして成立した「図書館の自由法」。いわく、図書館は資料収集の自由を有し、資料提供の自由を有し、利用者の秘密を守り、すべての不当な検閲に反対する。そして図書館の自由が侵されるとき、団結してあくまでそれを守る。そして設立されたのが、特務機関の検閲にあらがうための図書隊という組織だった。

 良化法成立から三十年。良化特務機関と図書隊の争いは激化の一途を辿り、しばしば銃器をもちいた抗争さえ勃発する日々。検閲はほとんど言論統制といっていいレベルになっていた。
 そんな時勢の中、希望して図書隊に入った主人公、笠原郁二十二歳。彼女は男子隊員に混じって引けをとらない身体能力と、考えるよりも体が先に動く暴走癖を持っていて……


 かなり有名なシリーズですが、少し前にようやく読みまして、そしてものすごい勢いでハマりました。ついでに堂上教官がツボすぎて、うっかり萌え死ぬかと思いました……。
 恋愛シーン以外もかなり骨太なつくりの架空史SFですが、しかし、ラブコメがラブコメすぎて、別の意味でもじったんばったん悶絶しながら読んでました。バスの中などで読むのは大変危険な図書です。

 ついでにようやく自覚したんですけど、どうやらわたし、正義の味方キャラがすごく好きです。迷いなくひとに手をさしのべることのできるヒーロー。現実に正義を標榜する人は嫌いですけども、そこはそれ、フィクションの良さということで。

 図書館員が武装なんていう設定だけ見ると、かなりトンデモなんですけど、法律の施行の流れや社会の動き、それを踏まえた人々の生活や行動が丁寧に描かれているので、そこにリアリティが生まれて、実際に読んでみれば骨太な印象。

 作者の有川さんは、大人のためのライトノベルがやりたかった、と各所で口にされているだけあって、設定はかなりがっしり作りこまれている社会派ながら、キャラクターの魅力はライトノベルならではのもの。
 すっかりはまってしまって、いまゆっくりほかのシリーズも追いかけているところです。

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