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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 ある雪の日、いつもどおり登校すると、通いなれたはずの高校は、異空間と化していた。
 普段からよくつるんでいる主人公たち六人。彼らを除いて、校舎には人っ子ひとりいない。扉も窓もかたく閉ざされて、外に出ることもかなわない。そればかりか校舎そのものの構造も、よく見れば知っているものとは違う――

 閉じ込められた六人は手がかりを求めて校舎を歩き回り、それぞれの記憶をつき合わせて推測を重ねる。
 以前、自殺したクラスメイトがいたこと。それなのに、妙なことにそれが誰だったのか、皆がまったく思い出せないという。

 やがて時が経ち、仲間のひとりが急に姿を消す。それも、誰かに襲われたような気配を残して。
 この妙な異空間は、自殺した人物の精神世界ではないのか。過去の有名な超常現象を引き合いに出して、なんとか状況を理解しようとする彼ら。もしかするとその自殺した人物は、この六人の中にいるのではないか……。けれどこんなに仲のいい友達が自殺なんてしたら、すごくショックだったはずなのに、そんな大事なことを忘れてしまうなんてあるだろうか。
 結論が出ないまま、仲間たちはひとり、またひとりと姿を消してゆく――

 正直なところ、最初のほうは読んでいて、それほど面白そうと思わなかったんですね。でも辻村さんの作品ならば、きっと読みすすめていくうちに、どんどん面白くなっていくはず。そう思って読みすすめていったら、案の定。謎の核心に迫り始め、キャラクターの魅力が最大限に活きてきた中盤以降は、もう続きが気になってページをめくる手が止まらない状態でした。

 読み終えてすでにけっこう時間が経ちますが、これはひとつ、この先何年が経っても忘れないだろうなと思うのは、六人のなかのひとり、菅原のキャラクター。あのカッコよさは犯罪。(真顔)

 ストーリーテリングについても、中盤以降の読ませる展開と、終盤のどんでん返しと感動の待っている辻村さんですが、いちばんの魅力はキャラクターだと思うんですよね。登場人物が魅力的だった作品って、ちょっとやそっとのことじゃ忘れられない魅力があるなって思います。

 辻村さんの本はどれも厚いので、いざ読みかかるまでになかなか気合がいりますが、でも、読んでまず損はないという信頼感があります。とりあえずいまは「子どもたちは夜と遊ぶ」を机の上にスタンバイ中。

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